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*Croquis de Paris No.779 ~ マーク・ロスコ展 ルイ・ヴィトン財団美術館 ~ *

長いです☆お時間のある時に^^
 
 
家族でブローニュの森にある 
FONDATION LOUIS VITTON/ルイ・ヴィトン財団美術館の
マーク・ロスコ展へ行ってきました。
 
 ☆ 娘が小さい頃に時々来た事があるジャルダン・アクリマタシオンの隣にあります ☆
 
建築家フランク・ゲーリー設計のガラスで出来た
船や雲のようなデザインの美術館。
やっと来れました^^
 
 ☆ 駅からシャトルバスもありますが、みんなについて歩いていくと15分ほどで到着。
 森があって気持ちがいい場所です ☆
 
実は長年こちらに暮らしながら来るのは初めて。
 
Mark Rothko マーク・ロスコの回顧展は
1999年にパリ市立近代美術館で開催されて以来の24年ぶりなのだそう。
 
 ☆ ロスコの初期の作品も見ることが出来ました。☆
 
ロスコの初期に描いたニューヨークの街や地下鉄などの具象の作品
 
娘が気になって検索した日本語を指差して。
ねぇ、これってどう読むの?
 
Plasticité / プラスティシテ
=可塑性 ←かそせい、だね。
 
あえて可塑的(粘土のように自在に形作れる、作られた)
に描かれた作風が印象的でした。
 
 ☆ ぼんやりとした感情から ☆
 
そしてロスコを象徴する色と面で構成された作品が始まります。
 
 ☆ ロスコの絵を目の前にして ☆
 
よりシンプルに
ロスコがこの絵に何かを求めながら
 
こちらも何かを感じながら
その感触がじわじわと
 
 ☆ Mon art n’est pas abstrait, il vit et respire.
 私の芸術は抽象的なものではなく、生命であり、呼吸なのです。☆
 
 
色とシンプルな要素で描かれたロスコの作品を、
同じように予備知識をあまり入れずフラットに見るつもりでやってきたんですけど
 
 ☆ 作品のサイズは徐々に大きくなっていきます ☆
 
こういう事だったのですね。
 
壁に書かれてあった文字を翻訳。。。
 
 ☆ 前に立ってみてほしい ☆
 

「Mon art n’est pas abstrait, il vit et respire.」

 私の芸術は抽象的なものではなく、生命であり、呼吸なのです。
 
まさに息をしているのを感じます。
 
心地良さとか幸せを感じるとか、美しいとか
そういう単純なものではなく・・・
 
 ☆ 素敵なご夫婦 ☆
 
思わず娘に。
 
この人はさぁ、この大きさが必要で描いてるんだね
あと、ここにいろんな感情を表現、というよりは
観ている側の中のそれを動かそうと実験してるわ
 
 ☆ みんなはどんな心地でここにいるんだろう ☆
 
映画のように大きな画面で、観る人の視界をそれだけにして
 
映画ならストーリーもエンディングもあるけど
ここにはそれがなく。。。
 
ロスコさん。。。
 
 ☆ 目の前の視界が作品のみに ☆
 
ロシア帝国だったラトビアに、ユダヤ系の両親の元に生まれた
マーク・ロスコ(本名マスクス・ロトコヴィッチ)
 
マーク・ロスコという名前は、アメリカ国籍を取得した際に、
出自がわからないようこの名前にしたのだそう。
 
 ☆ À ceux qui pensent que mes peintures sont sereines, j’aimerais dire 
 que j’ai emprisonné la violence la plus absolue dans chaque centimètre carré de leur surface.
 私の絵が静謐だと思っている人たちに言いたいのは、
 私はその表面の1平方センチメートルすべてに、最も絶対的な暴力を封じ込めたということだ。☆
 
一家は息子たちがロシア軍に召集されるのを避けアメリカに移住。
 
ロスコ自身はイエール大学に入り、大学では心理学を学ぶも、
民族への差別もあり大学を中退ニューヨークに渡る。
 
そこで偶然見たヌードデッサンの様子を見て、
美術の世界に入ることを決心したのだそう。
 
 ☆ 油絵具を薄く塗り重ねたり、他にも様々な手法で手触りのある表現を目指したロスコ ☆
 
にしても、
この絶妙な質感や深さに驚きでした。
 
 
「マルチフォーム」と呼ばれる色の塊をシンプルに配置したスタイルには
画家クリフォード・スティルが描く抽象的な表現との出会いがあり、
その後は長方形を重ねたマーク・ロスコのスタイルを確立していきます。
 
 ☆ ロスコの作品の前に座って ☆
 
個人的には同じくロスコに影響を与えたというミルトン・エイヴリーが好きかも。
 
 
「カラリスト(色彩主義者)」と呼ばれることを嫌ったロスコ。
なぜなら彼が求めたのは、マティスのように
「空間を形作る手触りのある色」であり「光」を意識していたから。
 
 ☆ ユネスコビルのアートプロジェクトとして構想されながら日の目を見なかった
 彫刻家アルベルト・ジャコメッティとの作品の展示も実現されていました。☆
 
独自の顔料の配合で絵の具を作り、その内容を誰にも明かしていない。
 
 
その表現がどうやって生み出されているのか、
私もまた見入ってしまうのだけれど。
それとは関係なく、様々な感情に惑わされました。
 
戸惑いや魅力でもあり魔力でもあり
 
 ☆ À moins d’entreprendre le voyage, le spectateur passe réellement à côté de expérience essentielle du tableau.
 旅に出なければ、観客は絵画の本質的な体験を見逃してしまう。☆
 
こんな世界があるのですね。
(なかなか上手く言葉で表現できない)
今まで見た絵画で一番、
現在に生き続けているものを見させていただきました。
 
 
ロスコさん、恐れ入りました*^^*
 
 
ではでは、また
 
 
 
A la semaine prochaine 
☆MUNEKO☆